夢の超特急「のぞきみ」

 もう何年か前の話になるのですが、ボクは出張で新幹線「のぞみ」に乗っていたわけです。そいでまあ、いくら速いとはいえ長旅ですからトイレに行きたくなって車輌のはじっこについてるトイレに行きました。昔は電車のトイレなんていうときたないイメージがあったけどキレイになったなあ。ドアもでかい。あ、しかも自動ドアじゃん。このボタンを押すワケね。ほいっと。「ウィーン」あ。

いたのです。人が。中に。しかも若いおんなの人で(しっかり見たわけではないが多分…)ちょうどすべてが終わって立ち上がってパンツをあげようとした瞬間でした。向こうを向いていました。ボクの目には何やら真っ白いカタマリが飛び込んできました。(それはおしり)よく言われるようにそこで時間が止まったような感じで(とはいえ多分コンマ何秒という時間だったと推測されますが)思わず声も出ず立ちすくみました。しかし彼女の方の時間は激しく動いていたらしく「ああーっ」と激しく叫ばれました。いや、わざとじゃないんだ。一瞬にしてアタマの中はぐちゃぐちゃになりボクは自動ドアを自力で閉めようとしました。しかし電動のチカラには勝てるはずもなく、「ウィーン」と、もんのすごいスローモーションでドアはゆっくりとゆっくりと閉まりました。そのあいだ、ボクと彼女は何もすることができず、しかしただムダにアタフタと動きまわっていました。

すぐに立ち去ればよかったのですが、ボクの方はそれで解決するのですが、ボクがそこから立ち去った後にはポッカリとドアの空間があいて外から丸見えになってしまうような気がして…と言っても彼女はすぐにパンツをずりあげたからいいんですが…

とにかくボクは自分の尿意も忘れて飛ぶように自分の席にもどったわけです。それからは彼女が前を通っても気づかないように、アタマをすっごく低くして、息を殺して座っていました。

それからどれだけかたってもう一回トイレに行ったのですが、(犯人は現場に戻る、という心理がわかるような気がした)なんとそのトイレには内側から鍵をかけるようになっていたのです。自動ドアなのに鍵をかける…ってのは、なるほど不思議なモノで、多分彼女はそんなことには全く気づかなかったのだと思います。ボクの推測するところでは同様の事件は多分頻発していたのではないかと思います。(最近乗ってないけど、どうなんだろ?)最後に言っときますが、わざとじゃないですからね。

(97.9.26)