重き買い物

実はこないだテレビを買いましてね。
もともと、新しいモノを買う!ってーのは大好きなんでありますが(金があればの話)どーもあの店員とのやりとりってーのが苦手でして、こっちに専門知識がないから専門家に聞くわけなんですが、こっちが買う立場なのに、なーんか向こうの方がえらそうな感じがして、どーもおもしろくないのです。

で、今回テレビを買うときは、なーんにも聞きもせず、さいわい、というか、そこの店には商品の前にそれの名前を書いたカードがあって、それをレジに持っていくシステムになっていたので、ホイホイ、と、直感で決めて買ってしまったのです。もちろん、ちゃんとチェックはしましたよ。画質とか、奥行きとか重さとかまで、しっかり考えて…

しかし、これはわからなかった。「音」です。
だって、ステレオじゃないんだから。テレビなんだから。ねえ(なにがねえだ)そこをあんまり不安に思うことってないじゃないですか。しかも、店頭で音なんてチェックできないですよ。あーんなにいっぱい並んでるんですから。ほかのテレビの音全部消して、こっちのボリュームだけあげるわけにいかないじゃないですか。ねえ(だから何が)

で、家に届いたら音が出なかった、というオチではないんですが、まあ、音があんまりよくなかったわけです。ちょっと、こもってるというか、高音が細くきんきんするというか…妻が気に入らないと言うわけです。
見てて気になって気になってしょうがないと言うわけなのです。「まあ、耐えられないっていうほどでもないじゃないか」と言うと、「耐えなきゃいけないようなテレビでは困る」と、怒るわけなのですよ。しかも、ひょっとしたらこれは故障かもしれない。などと言いだし、ついにメーカーのヒトを呼ぶことになったわけです。
で、メーカーのヒトがうちに来ました。ぼくはもともと壊れてるなんて思ってなかったんですけどね。こうなったら気の済むようにしてやるしかない。来たおじさんは、苦情処理係のカガミ、みたいひとでしたね。常にニコニコしている。でもちょっと悲しそうな眉。こちらの言うことは決して否定しない。しかし、会話の最後に必ずこうつける。「ええ。そうです。これはこういうもんなんですよ」10回は聞きました。この言葉。
つまりこういうことです。
音質というやつは、メーカーによって設定されていて、音楽が聞きやすいタイプ、会話が聞きやすいタイプ。などさまざまである。お客様の好みもさまざまであるから、好みに合わないことも当然あり得る。そんなときは、通常、音質を調節するのだが、この機種にはその機能がついていない。ついてないのか。そりゃ、ついてないものはしょうがない。しかし気に入らないモノは気に入らない。ってことで、もう一回買った店に行って、交換することになったのです。それがきのうでした。

そのお店に行って(専門の電気店ではない。大型スーパー)もう一回、いろんなテレビの音を聞き比べてみましたが、やっぱり店頭では違いはわかりません。この日はそのつもりできたので、じっくり話を聞いてみようと店員を呼んだところ、「はい、話は聞いています。では、かわりの機種のカードをレジに持ってって下さい」
おいおい、またカードかよ。それで失敗したというのに。こうなりゃ無理矢理店員を現場まで連れていってくわしい説明を聞こうとしました。
「音質を調節できるタイプが欲しいんです」
「音質なんて、どれも調節できませんよ。決まってるんです」おいっ!!
できるってば。さっき調査してできるタイプがあるのも確認済みなんだから。ボクは思わず店員の前で、目の前にあるテレビで調節をして見せてやりました。そしたら「あー、できるんですねえ。じゃあ、このテレビでいいですね」おいおいっ!!!
おい店員!たのむからもうちょっと勉強してくれっ。プロだろプロ…
それならこちらのほうがおすすめですよ。くらい言ってくれ。おねがいだから。
あー。えらそうにされるのがいやで、会話をさけていたのに、えらそうでなさすぎてこんな目にあうこともあるんだなあ。結局そのテレビに決めて帰ってきました。
帰り際に妻がこう言いました。
「こんどのが届いたら調節しまくってやる」
おんなは強い。ボクは疲れました。

(1998.5.20)